WHITE BOOK
「じゃああたしは、嵐さんのお見舞いに行こうかな。」
「あ、私も行く。」
背伸びをしながらのソアラの言葉に、想楽も便乗する。
「セイファーはどうする?」
子供の相手をしていたセイファーが、顔だけこちらを向いた。
「そうですね、ぼくも行きます。」
また遊んであげますからね、と話しかけながら子供にぬいぐるみを返す。アリスに抱きかかえられた子供は、笑顔でセイファーに手を振った。
「よかったね、ナナ。」
「まー。」
ナナと呼ばれた子供は、終始笑顔のままだった。
「私はいろいろやることがあるから行けないけど……あ、嵐はフリーテアハートの総合病院にいるからね。」
嵐によろしく、と空いた片手を挙げながら、アリスは2階へ上がっていった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ