WHITE BOOK
数学の成績は下から数えたほうが早いが、この位なら時速の計算も簡単そうだ。
「えーと、30分で20キロ……え?」
復唱してみて、その異常さに気付く。
つまり、りぼんは時速40キロで走れるということになるのだ。
「じゃ、じゃあさっき、アイリスさんが言ってたすごい速度で移動してるって……?」
セイファーも気付いたようだ。ソアラも口が半分開いている。それに構わずりぼんは無邪気に笑って返答する。
「それって今朝の話?確かにランニングには行ったよ。シャインナルリアの教会と、嵐さんの病院に顔出してきたんだ。」
「まぁ、距離で言うとこれも10キロくらいあるわけなんだけどさ……。」
アリスの補足がなくとも、想楽は分かってしまった。
「……私とは違う『人間』だね……。」
りぼんはいわゆる「超人」のようであった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ