WHITE BOOK
じきに、ソアラが戻ってきた。聞くと、やはり朝のウォーキングに出かけていたようだ。
「ごめんごめん、近所の人に捕まっちゃっててね。何か書き置きでもしとけばよかったかな。」
いつもの笑顔で頭をかくソアラは、白本を広げて話す2人にそう言った。
「ソアラって、やっぱり有名なんだね。」
「まぁ、ここがファルシア教の国だからかな。」
ファルシア教では位が高いのだから、ファルシア教を主に信仰するミルリーフ国で知らない人がいたらそれも変だが、それでもいまだにソアラが有名である実感が湧かない。いわゆる有名人オーラが、ソアラに感じられないからだろう。
あ、そうそうとソアラ。
「昨日言ってた会議なんだけど、団長室でやるってさ。時間になったら下に下りてきてね。」
言いながら、机の上のバスケットに入れてあるロールパンを1つ手に取り、2つに割って食べ始めた。じゃあまた後で、とそのままソアラは台所のほうへ歩いていった。
「ソアラさん、朝ご飯まだだったんですね。」
「みたいだね。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ