WHITE BOOK
時間が迫ってきたので、想楽とセイファーは事務所へ下りた。一応、白本たちは本の形のままだ。
事務所では、もうアリスとその白本の使徒と思われる女の子が待っていた。
「おお、おはようさん。」
片手を軽く挙げてアリスが言った。
「おはよう、アリス。」
「おはようございます。」
2人もそれぞれの言葉で挨拶を交わす。それから、右隣に立つ少女に想楽が聞いた。
「えーと、あなたがアリスの白本の使徒?」
軽くウェーブのかかった茶色の髪は、地面に届きそうなほど長い。背丈はアリスとさほど変わらないようで、想楽は少し見下ろすようになる。紺色のレディーススーツを身にまとい、膝丈のスカートを履いた彼女の左手には、本の状態の白本が抱えられている。年にして12、3歳だろうか、表情も体つきもまだ幼い。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ