WHITE BOOK
そうこうしているうちに、頼斗が戻ってきた。
「みなさん、お待たせしました。」
想楽とセイファーが後ろを向くと、ライトの後ろから少女が歩み出てきた。
肩の上で切りそろえられた黒髪。青い瞳はフィノンにそっくりだ。想楽は背の高さにはあまり自信がないほうだが――いつも隣にいた美姫の背が高い、ということもある――それでも彼女の背は想楽の目の高さより低い。白いTシャツにブラウンの巻きスカート、そこから生える四肢はディアル特有の白さ。青い楕円のオーブがついた右手には、スパイラルのついた指をくわえたハーフの女の子を抱えている。
「やあやあ、よく来てくれたね。」
抱いていた女の子を頼斗へ託して、少女は想楽に右手を差し伸べてきた。急なことに戸惑いながらその手を握る。同じことをセイファーにもしてから、左手を腰に当て、こう言った。
「遠路、大変だったね。私が聖羅共生推進団体羅族団長、ほんでもってファルシア教ジュリアエランド、アリス・スターライトだよ。」
あまりに17歳には見えない容姿と、おそらく頼斗との間に生まれたのであろう女の子と、ざっくばらんな彼女の態度とを見て、何から突っ込んでいいのか、想楽は困っていた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ