WHITE BOOK
「じゃあ、メルティア教というのが羅族主義の宗教で、クフィリア教というのが聖族主義の宗教なんですね?」
セイファーが前の2人に問いかける。
「はい、そういうことになります。」
答えたのは頼斗だ。続けてフィノンが補足する。
「だから、さっきのあの人達はクフィリア教の人達ってことだね。クフィリア教にも時のお言葉みたいなのが出たみたい。詳しくはアリスが知ってると思うよ。」
おそらくクフィリア教にとっては、白本の使徒はあまりよくない存在とされているのだろう。そうでもなければ、あそこまでの攻撃を受ける理由がない。
「セイトゥン……と、呼ばれましたね。どういうことなんでしょうか?」
「どうしたの?」
急にセイファーの声のトーンが落ちたのを心配して、ソアラが訊ねた。
「……“悪魔”という意味なんです。」
そう言うセイファーは、ひどく暗い表情をしていた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ