WHITE BOOK
コッペパンにスクランブルエッグを挟んだ朝食をくわえて、寝癖直しをかけた髪にドライヤーを当てながら、昨日の行動を思い返した。
そうか、昨日髪乾かさないで、そのまま布団に入っちゃったんだ。
がんばっても直らないわけだと自嘲し、朝食の最後の一口を押し込んでドライヤーを片づけ、今度はその次の行動をするためにクローゼットを開けた。
今は暑苦しいファー付きのコートや、友達の結婚式に1回着ただけのフォーマルスーツと一緒に並ぶ黄色いブラウスと茶色のチェックのスカート。
もう1年と少しの付き合いになるそれらが、また1週間よろしくねと言っているようで、またつまらない日が始まった、とため息をついた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ