WHITE BOOK
第1章:出逢(Meeting)
暑い夏の朝日は、もうすでに高い位置にあった。
それでも布団から出るのが億劫で、動くことすら嫌になる。
蒸した空気で全然眠れなかったのも原因だが、今日が月曜日であり、また退屈な1週間が始まるという気だるさも、そして元から、この布団の中身がそういう性格であることも原因である。
何度目かの警報音を鳴らす時計の頭を、布団の中から生えてきた腕がぱちんと叩く。
静かになった時計の針を確認する瞳が、布団と腕の隙間から覗いていた。
さすがに、そろそろ起きようかな。
布団の中から這うように出てきたのは、寝癖と呼ぶのもおこがましい程に爆発した黒髪。ひどくしわだらけになった水色のパジャマ。ふと上げた瞳は、まだ覚醒しきれていないのが目に見えて分かる。
腕の力を使って体を起こし、敷き布団の上に座った状態で背骨をぼきぼきと鳴らしながら大きな伸びをした。
そして右手を頭の惨劇の中に突っ込んでぼりぼりと頭をかき、さてまずは何をしようかと考えた。
朝ご飯が先か、髪を何とかするのが先か。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ