WHITE BOOK
と、色とりどりの光が集まる中央、想楽達のところへ声が投げかけられる。
「ソアラさんっ!」
それは、ソアラを呼ぶ女の子の声。なんとかしてその方向へ顔を向けると、ディアルの少女がシルバーの車の窓から身を乗り出し、源力を集めているところだった。色は、真白障壁によく似た純白だ。
声の主の少女を、ソアラは知っているようだった。
「フィノンちゃん!」
それを合図にしたかのように、正面と後ろからカラフルな波動が飛んでくる。ほぼ同時に、少女も源力の光を放った。
「光珠(こうじゅ)、プロテクション!」
いつぞや、真白障壁と間違われた源力操作の名前だった。白い光は想楽とソアラとセイファー、それから少女の乗ってきた車を包み込む。光の膜となったそれは、両側からの波動を全て受け止めてくれた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ