WHITE BOOK
後方から飛んでくる源力の攻撃を、セイファーがPSIで防ぎながらしばらく走り続ける。
しかし、日頃の運動不足のせいなのか。想楽は次第に脳に酸素が回すことができなくなり、足をもつれさせて思い切り転んでしまった。
「想楽っ!」
前のソアラが急ブレーキをかけ、想楽に駆け寄る。想楽は朦朧とする意識の中で、前へ手を伸ばした。転んだ拍子に白本を落としてしまったのだ。気付いたソアラが白本を拾っている間、想楽の後ろにいたセイファーは追ってきた集団と対峙している。
「想楽、大丈夫?」
伸ばした手に白本を握らせながらソアラが聞くが、正直それに答える余裕がなかった。それでも、正面に見えたものを見逃すことはない。
「……やられたなぁ。」
呟くソアラ。
正面にも、3人に敵意を持つフィアルが何人かいたのだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ