WHITE BOOK
3人は顔を向き合わせる。アイコンタクトで話し合い、結論を出して頷いた。
セイファーが響きを、女性がいるほうへ伸ばす。人々の間を縫って光が道を作った。そして、
「――リジェクション!」
光がはじけて、光の道沿いにいる人を軽く跳ね飛ばした。今度はきちんと加減しているのか、前のように彼方まで飛ぶようなことはない。そこを、ソアラを先頭に想楽、セイファーの順で駆け抜ける。
とにかく、四方を囲まれたこの状態から逃げるべきだ。
言葉を発さずとも、伝わるものはちゃんと伝わるんだな、と想楽は走りながら考えていた。
そうまでしても何人かはまだ追いかけてくる。あの女性もその1人だった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ