WHITE BOOK
「行くにはどうすればいいの?」
次のページの指示はこうだ。
《最後から3ページ目に、ペンがはさんであります。そのペンで最後のページの上部にある枠内にあなたの名前をフルネームで書き、完成した呪文を唱えてください。》
言われて想楽は最後から3ページ目を開く。
そこには確かに、羽根のようなものがはさんであった。根元が青く、先の方に向けて緑色のグラデーションになっているそれを手にとってみる。
最初に本を受け取ったときにすでにあったのなら、気付かないはずがない鮮やかな色。だが今なら、この羽根が魔法で生み出されたと思うことができるし、何も書いていなかったはずの最後のページにも、名前を書く枠と呪文が書いてあると思えるのだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ