WHITE BOOK
想楽は茹でたそばの入った器に汁をかけ、市場で仕入れた魚貝の天ぷらを乗せて出す。ソアラは想楽が盛り付けた天ぷらそばを席まで運び、客に提供する。セイファーは客が帰った後に食器を下げ、テーブルを拭いて次の客を迎える。
この作業だけを1時間半も続けていたが、午後1時にもなると客も減ってきて、食堂の本来の従業員――ネールとその夫、息子と娘、それに他から雇っている調理担当の男性が1人――だけでも対処できるほどになった。
お礼にと昼食にそばもご馳走になり、1時間後に控えた船の出発まで、ここで休ませてもらうことになった。
「ソアラちゃん達。」
ネールが部屋に入ってくる。テーブルに伏せていた想楽は半身をそちらに向け、寝転がっていたソアラは起き上がり、律儀に正座をしていたセイファーも振り返った。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ