WHITE BOOK
「厨房に入れてる2人が今日一気に休んじゃってね。てんやわんやしているのよ。」
「そうなんだ。お客さんも多いみたいだったしね。」
ソアラが納得すると、後ろを振り向いて2人に聞いた。
「どうする?」
「どうしよっか?」
この他にも当然店はあるだろうが、他に何があるのか知らない想楽はそうとしかいえない。
だが、セイファーは違った。
「手伝いましょうか?」
表情は不変。声色もいつも通りだった。想楽もソアラも予想外の言葉に戸惑う中、ネールはぽんと両手を合わせて笑顔になった。
「あら、本当に?勇者様に手伝わせるなんて本当に悪いけど、手伝ってもらえる?ありがたいわー、猫の手も借りたいくらいだったのよ。」
こうなると、手伝わざるを得ない。
そう感じた想楽は、ソアラに向かって苦笑いした。ソアラも同じような表情を返してくれた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ