WHITE BOOK
「そういえば、想楽さん。」
セイファーに呼ばれたので、想楽は考え事をやめて首をかしげる。
「何?」
「想楽さんが使ってた……えーと、ホワイトバリア、でしたっけ?あれが白本の魔法なんですか?」
響きを湯沸かし器のカップにまとわせながらセイファーがそう聞いた。想楽は頷きながら答える。
「うん、私自身はそんなたいそうな力は使えない。あれはエリカが変換してくれるからできるんだよ。」
「また新しい白本術を教わったんだね。」
ソアラが話に割り込んでくる。
「トレーニングホールの時にね。まぁ、まだ2つ目なんだけど。」
「バリアってことは、守護の魔法かな。」
「そうだよ。」
会話を聞きながら、セイファーは響きを使ってお茶を淹れている。そして天井を見上げ、こう呟いた。
「ぼくも使えるようになったほうがいいんでしょうね、きっと。」
「たぶんね。でも、セイファーはPSIがあるから、ほとんど必要ないだろうね。」
ソアラの言葉に、思わず想楽もセイファーも笑ってしまった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ