WHITE BOOK
野次馬がそれぞれ行くべき場所へ歩き始めるとほぼ同時に、ソアラがこちらへ駆け寄ってきた。
「おーい、想楽ー、セイファー!」
2人が揃ってソアラの声に向き直る。
「ソアラ。船どうだった?」
「うん、それが今日はもう満席らしくて、明日の昼にならないと空きがないんだって。予約はしてきたから、また明日ここに来るようになるよ。」
つまり、今晩はこのあたりで1泊するようだ。想楽とセイファーが理解できたところで、今度はソアラが質問した。
「ねぇ、セイファー。今の見てたんだけど、あれってセイファーがやったんだよね?」
ソアラは、想楽がそのような力を持たなかったことを知っている。だからこそ、先にセイファーに聞いたのだろう。首をかたむけていたセイファーがにっこりと笑った。
「はい、そうですよ。大丈夫です、後できちんと説明しますから。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ