WHITE BOOK
この山吹色の光は、本当にいろんなことができるのだろう。何もない場所から杖を出したり、触れた相手を跳ね飛ばしたり、このように動きを止めたりもできるのだ。詳しい説明は後で聞けるはずなので、現時点ではこの程度の解釈にとどめておいた。
「では、終わりにしましょうか。」
セイファーが右手を少し上げる。それにつられて光が動き、同じように黄色い眼鏡を取り巻く光も上昇する。
「なっ……!」
黄色い眼鏡が驚いたような声をあげる。
「……えっ、えぇ?」
先程まで地面に固定されていた足は、今地面にはついていない。
そう、ついていないのだ。
「と、飛んでる……?」
周りの野次馬にもそう見えているらしく、誰もが一言も声を発しない。
黄色い眼鏡は、光に包まれて空を飛んでいた。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ