WHITE BOOK
「あ、すみませんね。よそ見していたら加減を間違えてしまいました。」
周りで見ていた人たちの悲鳴や叫び声、驚きの声がうるさくても、セイファーの高い声はよく通る。
緑の眼鏡のほうを向くと、
「スパイラル、ウォーターフォール!」
もうすでにスパイラルを発動しているところだった。想楽とセイファーの頭上に集められた源力が水の塊へと変わり、その術名の通りに落ちてきている。
とりあえず、緑の眼鏡の属性は水。型式は守護と波動だろう。
さて、あの自由落下してきている水の塊をどうにかしなくちゃ。
まともに食らえばひとたまりもないそれを見ても、全然驚かなくなっている自分に驚いた。想楽ができることは1つしかない。ペン先を足元に向けて、白本術を完成させた。
「エリア、真白障壁(ホワイトバリア)!」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ