WHITE BOOK
「――リジェクション!」
その一言で、大きく弾き飛ばされていった。
「うわあぁっ!」
「あ、兄貴!」
緑の眼鏡が、黄色い眼鏡――どうやらこちらが兄らしい――の軌道の先に光を飛ばす。
「スパイラル、アクアヴェール!」
光は水の膜へと変わる。すごい勢いで飛んできた黄色い眼鏡はその膜に突っ込み、膜の形を大きく変えた。しばらくその状態を維持した後に、勢いを殺しきった水の膜が消え、黄色い眼鏡が地面に落ちた。源力操作の集中が切れたのか、手に持っていたはずの氷の鎖は消えていた。
今のはなんだったんだろう。
想楽は、とりあえずセイファーがしたんだろうとしか理解することができなかった。
今のも、魔法なのかな?
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ