WHITE BOOK
そこから湧き出してくるのは、杖を生み出したときと同じ光。夕日に染められているせいかオレンジに見える光の色は山吹色。それを手の平にとどめたまま、セイファーは顔だけを想楽のほうへ向けた。
「想楽さん、ぼくの後ろにいてください。」
その表情からは余裕が見てとれた。きっとセイファーは戦い慣れしているのだろう、と思った想楽は素直にそれに従う。
セイファーの頭越しに見えるパーマ頭は、その間にこちらまで辿り着いていて、セイファーに向かって鎖を打ちつけようとして、そして――
「……え?」
セイファーの光に触れ、
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ