WHITE BOOK
瞬きをする間もないほどの間にそれだけのことが起こり、何があったのか理解するのに時間がかかった。それは鎖を放った相手とその隣に立つ男も同じようで、あんぐりと口を開けたまま立ち尽くしている。
「……セ、セイファー……?」
「大丈夫ですか、想楽さん?」
表情のほとんど変わらない、涼しい顔をしてセイファーが聞く。
「今の、セイファーがやったの?」
まだ混乱した頭で、答えを返さないまま質問した。セイファーはこくりと頷く。
「はい、そうですよ。」
源力操作とは明らかに違う。白本術に必要な白本とペンは手に持っていない。
今のが、セイファーの世界の魔法――
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ