WHITE BOOK
「行こう、セイファー。」
「はい、そうですね。」
とにかくこの怪しい2人から逃れようと、想楽はセイファーを促した。場所を移動することにしたのだ。あとでソアラが合流するのに困らないよう、船着場のほうへ向かって歩き出す。
その時、男達には背を向けていたので、その呟きが聞こえるまで奇行に気付くことができなかった。
「――スパイラル」
はっとして想楽は振り返る。
少し遠くなった男達のうち、左側に立つ黄色い眼鏡が青い源力の光を集め、そして放つのが目に入る。
「シャットチェイン!」
放った源力は青い鎖へと変わりながら、まっすぐに想楽へと向かってくる。
気付いたときには、もう遅かった。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ