WHITE BOOK
それにしても、とソアラ。
「みるむの白本の使徒は男の人だって聞いてるんだけど……?」
その言葉に、想楽も、後ろに立っているサリーも、正面の彼女も耳を疑った。
「男……の、人?」
サリーがぽつりと呟いた。想楽は一瞬ソアラのほうを向いて、もう一度彼女のほうを向いた。
「……には、とうてい見えないんだけど。」
「あ、あれぇ?」
気の抜けたような声を出して、彼女はあわてて言った。
「ぼく、普通に男なんですけど……そんなに見えないですか?」
想楽はもう一度、男性であると主張する目の前の人を、頭の先から足の先まで見てみる。
「これで男だって思うほうがどうかしてる気がするんだけど……き、気のせいじゃないよね、ソアラ?」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ