WHITE BOOK
想楽がそう答えると、女性はいきなり顔を輝かせた。
「やっぱり!」
女性が大声で言ったからか、8両目の前側と後ろ側の個室から、合わせて4人が顔を覗かせた。
「どうしましたか、お嬢様……まぁ!」
「エアルさんですね?いやあ、本当にそっくりですね。」
「まさかとは思うけど……本人じゃないよね?」
「それはないだろ。しかしながら瓜二つだな。」
「え、えーと……。」
次々と言葉を投げかけられ、想楽は混乱していた。右手の人差し指でぽりぽりとこめかみの辺りをかきながら、苦笑いを浮かべる。
話しかけてきた女性を含む5人は、その人差し指を見逃すことはなかった。
「あれ、スパイラルがない?」
5人はそれぞれの言葉でそう言った。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ