WHITE BOOK
駅に着いた2人は、ソアラのペンダントを使ってグランエスタリア駅までの切符を購入する。最後尾に指定の席があるらしく、ちょうどその車両が到着するあたりで電車を待った。電車が来たのは、ホームの時計でちょうど9時。エアーの抜ける音と共にドアが開いて2人を迎えた。
中は寝台列車のようになっていた。1両につき3つに別れた個室と廊下、個室の中には枕と毛布が4つずつ置かれている。窓のカーテンには暗幕が使われていて、個室の入り口のカーテンと合わせて部屋を暗くすることもできるらしい。8両編成の8両目、中央に当てられた2人の個室も他とまったく同じ作りをしていた。
靴を脱いで個室に上がった2人は、とりあえず床に寝転がった。
「これから1日間、電車の旅かぁ。」
「うん、その間に身体を休めておかないとね。」
ガタン、と音がした。電車が動き始めたようだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ