WHITE BOOK
「想楽ってそっち方面詳しいの?」
テレビの電源が入った。
「うん、お父さんがそういう人なんだ。」
「へぇ……。」
映し出されたのは、先程までいたトレーニングホール。テレビの中のフィアルの男性は、ホールから出たときに見た覚えのある顔だった。
『――逮捕された住所不定無職の広光恒司被告は調べに対し、“本当に悪いことをした、二度とこのような過ちは犯さない”と反省の態度を見せているとのことです。』
覆面を取られたコウジは、ひどくしょげた表情でテレビに映っていた。
「そういえばさ、ソアラ。」
「ん?」
テレビに向けていた視線をこちらに向けてきた。
「ハーフって、フィアル螺旋模様とディアルのオーブ、両方あるの?」
「あぁ、そういえばハーフのことは何も言わなかったね。」
今度はきちんと想楽のほうに向き直って続ける。
「うん、それでハーフは属性を2つ持ってるんだ。スパイラルのぶんとオーブのぶんね。」
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ