WHITE BOOK
「そのかわり、型式はスパイラルで1つ、オーブで1つしか使えないんだ。」
つまり、純血のフィアルとディアルは1つの属性に2つの型式を持ち、ハーフは2つの属性にそれぞれ1つずつ型式を持つ、ということだろう。
「へぇ、それじゃあハーフってなんだかお得だね。」
素直な感想を述べる想楽。それに対してソアラは驚いた表情をする。
「お得、かぁ。そういう考えもあるか。」
「どういうこと?」
「ハーフって、どっちでもないから苦労するんだって。」
言われてみて気付く。ファンタジーにはエルフがよく出てくるが、そのエルフと人間の間に生まれたハーフエルフは、どの作品でも忌み嫌われていた。それは、フィアルとディアルの間でもそうだ、と言う話。
そして必ず、その風習に反対し、ハーフの人権を主張する人がいて、たいていそのような人が物語の主人公になるのだ。
作品名:WHITE BOOK 作家名:アリス・スターズ