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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・伍】スノー・スマイル

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しんしんと降り続いて確実に辺りを白く覆う雪
「…一体私達何してるわけ?」
本間がいきなり口を開いた
「手紙探してたんじゃなかったっけ?」
緊那羅がマジックの様にいなくなってから数十分
道端には悠助と3馬鹿+浜本で作った雪だるまが6個ズラリと並んでいた
「栄野も帰ってこないしあの金髪の子もどっかいっちゃうし…」
本間が少し怒っているっぽい口調で言った
「んなこと言ってもなぁ;」
坂田が立ち上がって腰をひねるとパキパキと音がした
「あ…」
塀に寄りかかってメールを送っていた阿部が声を上げた
「お待たせだっちゃ;」
やや疲れた顔をした緊那羅が摩訶不思議服を着ていつの間にかそこにいた
「お帰り緊ちゃんっ!!」
悠助が緊那羅に飛びつく
「で? 最終兵器は?」
南が聞くと緊那羅が軽く後ろを振り返った
「誰が最終兵器だ誰が」
「鳥------------ッ!!!」
迦楼羅が姿を現すと南が迦楼羅めがけて抱きついた
「だぁっ!!;」
南に抱き疲れた勢いで迦楼羅が後ろに倒れる
「待ってたぜ鳥!! ありがとう鳥!!」
「やめんかッ!; 放せ! たわけッ!;」
頬擦りする南の顔を手で押して迦楼羅が怒鳴る

「…なにこの子…」
阿部が迦楼羅を立ったまま見下ろす
「かるらんだよ阿部ちゃん」
阿部の隣に立って悠助が迦楼羅に笑顔を向ける
「…んはいらんと言っているだろうが栄野弟」
迦楼羅が起き上がり服についた雪を払う
「ずいぶんと遅かったじゃん緊那羅」
坂田が緊那羅に言った
「乾闥婆の目を盗んで迦楼羅をつれてくるのにちょっと…;」
緊那羅が苦笑いで言う
「…後が怖いっちゃ…;」
遠くを見つめる緊那羅の肩に坂田が哀れみ100%の感情を込めて手を置いた
「ねぇねぇこの服って文化祭ん時に着てた服だよね? いつ着替えたの? ってか…」
坂田を押しのけて浜本が緊那羅に質問する
「いっとくけど浜本。その子彼氏いるらしいよ」
本間が言うと浜本が一歩後退した
「…ちぇー…」
そんな浜本を見て坂田が噴出したいのを我慢している
「でさ!! 早速なんだけど…鳥さん」
南が一旦立ち上がりそしてしゃがんで迦楼羅と視線の位置を合わせる
「…大体の話は緊那羅から聞いた。…大切なものなのだろう?」
迦楼羅が溜息をついた後に呆れ笑顔を南に向ける
「…あぁスッゲェ大事なものだ」
南が言った