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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・伍】スノー・スマイル

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「…空がどうした?」
あまりにも京助が【空】を連呼するので一同が空を見上げる
今日の空は薄曇で雪が静かに降りてくるそんな空
「空から探せればいいんだろ?」
京助がニッと笑う
「…ヘリでもチャーターするのか?;」
浜本がマフラーを巻きなおしながら言った
「そんな金はないが竜田揚げ作る程度の金ならある」
京助が言うと3馬鹿が顔を見合わせて笑った
「…竜田揚げとヘリコプターって何か繋がりあるの?」
阿部が聞くと3馬鹿と京助がニカッと笑ってそろって親指を立てた
「まずは直談判だな…俺ちょっくら家に戻るからお前等は引き続き捜索してろ。浜本バトンタッチな」
京助が浜本の肩を叩いてそのまま自宅方向に走り出す
「…直談判って…竜田揚げって…一体何?」
阿部が坂田に聞く
「見た目はちっこいが態度はでかいお茶目な鳥さんが来てくれることを祈りつつ俺らは捜索いたしましょ」
坂田が言うと中島が再び騎馬を作る体勢になりそれに南が掴まると坂田と浜本もそれぞれ南を支える
「わかるように説明してよね…まったく」
本間が溜息をついた
「なぁ…俺もよくわからないのですが;」
浜本も一体何がどうなのってヘリコプターが竜田揚げなのかわからないらしく3馬鹿に聞く
「まぁ…とりあえず心の準備と消火活動の心構えだけしておけ」
南が笑いながら言った

ガラッ!

ガタン!! ドン!!!

ドタドタドタドタドタ…

「…もう少し静かに帰ってこれないの?」
開けようと手をかけた茶の間の戸が勝手に開いて目の前には母ハルミの呆れ顔があった
「遅かったじゃないお昼片付けちゃったわよ? お茶漬けで我慢してくれる?」
京助を押しのけて母ハルミが廊下に出る
「そんな暇ねぇんだ! 腹は減ってるけど…ッ;」
京助がそう言って茶の間の中を見渡す
「悠は? 緊那羅は?」
TVがつけっぱなしの茶の間には誰もいなかった
「アンタが遅いからって迎えにいったわよ? 会わなかったみたいだけど…寒いから閉めて頂戴」
京助が昼飯はいらないという返事をしたので母ハルミが茶の間に戻る
「迦楼羅(かるら)とか来てねぇ?」
茶の間の戸を閉めて京助が隣の和室を覗きながら母ハルミに聞いた
「かるらん君? 来てないわよ」
母ハルミがTVを消して壁にかけてあった上着を羽織った
「母さん仕事に戻るから家出るとき石炭くべていってね?」
そう言って母ハルミは茶の間を出て行った
「…いらねぇ時に来ててどうしてこう必要な時に限って来てないかねあの鳥類は…」
ガシガシと頭を掻いて京助はストーブの傍い置いてある石炭をストーブにくべはじめた

「あれ…キンナラムちゃんじゃないか?」
軽やかな【お猿のカゴ屋】ステップで捜索していた騎馬の上から南が言った
「悠もいる…けど京助はいないぞ? ついでに最終兵器鳥類も」
南が言うと騎馬隊が足を止めて南を降ろす
「どうしたの? あったの?」
少し離れてついてきていた阿部と本間が追いついて聞く
「いや…ないけど…」
それに浜本が返す
「じゃぁなん…」
阿部が再び聞き返そうとして緊那羅に気づいたらしく言葉を切った
「よっす緊那羅! 悠!」
坂田が緊那羅に手を上げる
「京助はー?」
「京助…はいないみたいだっちゃね…」
ぐるりと面子を見て緊那羅が言う
「京助なら竜田揚げがどうのこうの言って家に戻ったよ?」
阿部が言う
「竜田揚げ…?;」
緊那羅が首をかしげた
「竜田揚げってかるらんの好きなものだよね?」
悠が言うと緊那羅が頷いた
「いや実はサァ…」
南が苦笑いで話し始めた