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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・四】履くモノ・履かれるモノ

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「そういやもうすぐアレだな」
坂田が言う
「そうそう! アレだよな!」
京助がソレに返す
「アレかぁ…じゃぁアレしないとな!」
南もその会話に乗る
「…【アレ】ってなんだっちゃ…」
緊那羅が箒を握ったまま庭へと向かう京助立ちの後姿を見て呟く
「逃げたね」
矜羯羅が溜息混じりに言った

「遅い!; 何してたんだ馬鹿め!!」
制多迦の後を一人追いかけて一刻早く来ていた中島が大股で近づいてきた
「コイツ何言ってんだか微妙な話し方するから会話できねぇしよッ!;」
中島が制多迦(せいたか)を指差して怒鳴る
「…みょうって…;」
制多迦が苦笑いを浮かべた
「モノは慣れだ慣れ。何事も経験だ中島君」
そんな中島に対し【ハッハ】と笑いながら京助が中島の肩をポンポン叩く
「せめて誰か通訳つけてくれよなぁ…; スッゲェ気まずかったし! ばか----!!」
中島が泣き真似をしながらしゃがみこむ
「…しよし」
そんな中島の頭を制多迦が撫でて慰める
「…オマエ…実は激しくいいヤツなのか?」
中島が制多迦を見上げて言うと制多迦が【ぐっじょぶ】というカンジに親指を立てた
「心の友--------ッ!!!」
中島が大声で言いながら制多迦に飛びついた
「青春だけど…塩加減がしょっぺぇ…」
勢いで庭に倒れた制多迦と中島を見て京助が言う
「…何してんのさ…」
お決まりのあのポーズをした矜羯羅が庭に倒れた二人を見下ろして言った
「…ころの友だって」
制多迦が矜羯羅を見上げながら嬉しそうに言う
「…心の友でもなんでもいいけど…何かするんじゃなかったの?」
チラリと庭に放置されているストーブを矜羯羅が見ると一同ストーブの存在を思い出す
囲いの外からは楽しそうな女子二人と悠助の笑い声が聞こえている