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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・四】履くモノ・履かれるモノ

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「とうとう降りやがったか…」
教室の窓から外を見ながら坂田が言った
五時間目と六時間目の境の休み時間窓の外にははらはらと雪が降り始めた
「なんでこう帰るようになってから狙ったように振りますかね」
窓を開けて降っているものが本当に雪なのかと確かめるように坂田が手を伸ばし空から降ってくる白い物体を掌に乗せるとソレはすぐに溶けて消え雪だということが証明された
「やだなぁ…アタシ今日塾なのに」
阿部が坂田の隣に立ち窓から顔を出す
「結構積もりそうだよナァ…」
坂田も顔を出し空を見上げた
「京助お前ん家ストーブ変えるんだろ? 今日帰りにやるか?」
六時間目に提出するプリントを阿部から借りて写している京助に坂田が言った
「あ~…そうだナァ…雪降ったなら薪じゃ寒みぃしなぁ…」
写すのを一旦止めて京助がシャープペンを回しながら言う
「中島と南にも俺言ってきてやるからよ。ハルミさんが風邪でも引いたら大変だしな」
坂田がそう言うや否や早歩きで教室を出て行った
「何? 京助ン家ストーブ変えるって…」
阿部が自分の席に座って京助に聞いた
「あぁ。俺ん家今薪ストーブなんだけどさ石炭…ってかコークスストーブに変えるんよ。雪降ったら…それを毎年あいつ等に手伝ってもらってるんだわ」
写し終わったプリントを阿部に返しながら京助が言う
「ふぅん…ね! アタシも行っていい?」
阿部が聞いた
「は?; だってお前塾…」
「いいの! ね! いいでしょ?夕飯支度くらい手伝えるし…煙突とか掃除するの見たことないんだもん…プリント写させてあげたよね?」
阿部の言葉に京助が困ったように考えて溜息をついた
「…まぁ…いいけどさ;」
京助が目をそらして承諾した

「あっれ? 阿部ちゃん…と本間ちゃん?」
玄関にやってきた南と中島が+αでいる女子二人を見て言った
「何? この二人も行くの?」
中島が言うと
「悪い?」
本間が半ガン飛ばしで中島を見る
「…滅相も御座いません;」
中島が本間から顔をそらした
「おし!! じゃぁメンツも揃ったことだし…行きますか」
坂田が床に置いていた鞄を肩に掛けて言った
「毎年スマンねぇ…」
京助も立ち上がり歩き出す
「ソレは言わねぇ約束でしょおとっつあん」
南が京助の肩を叩いて言った
「おお! 微白銀世界!!」
アスファルトの上にうっすらと積もった雪の上に先に帰っていった生徒の足跡がチラホラと残っている
「こりゃ本当積もりそうだわな」
南が空を見上げて言った
「変えないと緊那羅が喚くよナァ;」
京助がボソッと呟いた
「…イトコ?」
阿部がその呟きを聞き取り聞き返す
「あ~…まぁ…そんなトコ;」
京助が苦笑いで返した
「…栄野ってすぎゅ顔に出るタイプだよね」
本間が阿部と京助の間に割って入ってボソッと言い歩き出す
「…アタシもそう思う」
阿部が京助をチラッと見た後本間の後を追いかけた
「……女性を侮るなかれ」
中島がそう言いながら京助の肩に手を置くと坂田、南も同様に京助の肩に手を置き大きく頷いた
「…なぁお前等寒くないんか?; いや…俺に取っちゃ嬉しい限りなんで御座いますが生足」
南が前を歩く阿部と本間に言った
「寒いよ?」
本間がそれにさらっと返す
「…女ってわかんねぇ;」
京助が言う
「寒いのにどうして出したがるんだ?;」
京助の言葉に本間と阿部が顔を見合わせる
「なんでって……別に」
ほぼコートに隠れている短めのスカートとブーツの間から出ている二人の女子の足は少し赤くなっている
「女心少しわかって欲しいよね」
本間がボソッと言った
「俺等男だし…一名片足女に突っ込んでるヤツいるけどな」
坂田が南をチラ見して言った
「突っ込んでナイナイ;」
ソレを南が力いっぱい否定する
「お! アレに見えるは…」
坂を上っていた中島が何かを見つけた