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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・四】履くモノ・履かれるモノ

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「何だっちゃ? それ」
緊那羅が雪の元を見て言う
「これはねお薬よ。昔ながらの…はい悠ちゃん踵出して」
母ハルミが雪の元の蓋を開けて指で掬い悠助の踵に刷り込む
「京助悠ちゃんの靴下とって」
悠助の足を持ったまま母ハルミが京助に言った
「コレでいいか?」
京助が畳んだばかりの洗濯物の中から悠助の靴下を取って放り投げると緊那羅がソレをキャッチする
「あとはお風呂入ったときによく揉んで寝る前にまた雪の元塗って」
悠助に靴下を履かせながら母ハルミが言う
「きちんと靴下を履いていれば治るわ」
靴下を履かせ終わると母ハルミが悠助の頭を撫でて立ち上がった
「僕靴下履くのなんか嫌…」
悠助が靴下を引っ張って呟いた
「まぁ…夏の間ずっと裸足だったしな~…何となくわかるっちゃわかるけどさ~…痛いよりはマシだろ悠」
京助の言葉に悠助が頷いた
「コッチの着るものって面白いっちゃ」
緊那羅が悠助の靴下を摘んで言った
「あのな;ソレは俺らにとってのお前らの格好にもいえることだぞ?;」
京助が言う
「文化祭ん時とかそれがよくわかったんじゃ御座いませんこと?」
京助が言うと緊那羅が何処となく頬を膨らませた
「人を見世物にして…」
緊那羅がボソッと言った
「使えるものは使うのだ」
京助が緊那羅に指を突きつけて言う
「でも僕緊ちゃんの服好きだよ?」
悠助がにっこり笑って緊那羅を見上げた
「まぁ俺も嫌いじゃないけどさ…面白いしコスプレみたいで」
京助も言う
「面白いってなんだっちゃ…;」
褒められてるのかけなされてるのかまたはからかわれているのかわからない京助の言葉に緊那羅がジト目で京助を見た