小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第五回・参】ヘリカメ様

INDEX|7ページ/12ページ|

次のページ前のページ
 

「………っ;」
自分の手の匂いを買いだ乾闥婆が小さく声を上げた
「乾闥婆?;」
緊那羅が恐る恐る乾闥婆に声をかける
「何ですかコノ匂いッ!;」
乾闥婆が声を上げる
「ヘリカメ臭。あ、ちなみに洗ってもなかなかとれないんだわなコレが」
京助が口の端をあげて言った
「だから僕ヘリカメ嫌いなの~;」
悠助が緊那羅の後ろから言う
「…嫌な匂いだっちゃね;」
乾闥婆の手の匂いを嗅いだ緊那羅も顔をしかめて言った

洗面所から聞こえてくる水の流れる音
「…手の皮剥けるんちゃうか?;」
京助がそう呟くと乾闥婆は水を止めて手を鼻に持っていった
「…っ;」
どうやらまだヘリカメ臭が取れないらしい
「どうしてこうもしつこいんですか!この匂いはッ!;」
乾闥婆が京助に言った
「俺に言うな俺に;」
京助が傍にあった手拭タオルを放り投げて言う
「その匂いがあるから嫌だってヤツ多いんだよなヘリカメ」
「僕も嫌です」
京助が言うと乾闥婆が間髪いれず言い切った
「てかお前何か用事あってきたんだろ?何だ?」
袖口をおろす乾闥婆に京助が聞く
「………」
乾闥婆の動きが止まった
「オ~イ?」
京助が乾闥婆の顔を覗き込む
「…っさっきの騒ぎで何のために来たのか忘れちゃったじゃないですかッ!;」
少し顔を赤らめながら乾闥婆が言った
「…さいでっか;」
京助が口の端で呆れたように笑うと乾闥婆は少し膨れて袖口に布を結んだ

「な------!;」
悠助の変な声が聞こえて次にバタバタと走る足音が近づいてきた
「出た----ッ!;」
悠助がそう叫びながら京助に飛びつく
「またか?;」
ヘリカメの恐怖に脅える悠助を腰につけたまま京助が戦地に赴く
「出たって…あの虫ですか?」
乾闥婆が歩きながら京助の腰に半分引きずられながら掴まっている悠助に聞くと悠助が頷いた
それを見るや否や乾闥婆が大股で歩き出して京助を追い越し茶の間に入る
「…なんだアイツ…;」
京助が呟いた