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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・参】ヘリカメ様

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「きゃぁあああああああ!!!!!」
「うわッ!」
「出たッ!!!」
翌日の三時間目
正月中学の二年三組の教室に生徒の悲鳴が響いた
「いや-------ッ! コッチ来る! 来た! 来た----!!;」
一人の女子生徒が半泣きで机を倒しながら友達の近くに逃げる
「ヘリカメ! 覚悟! 行け!! 選ばれし勇者京助!!」
ハルが叫ぶと京助がガムテープを取り出して10センチ位の長さに切った
「ニフラム!!」
京助が叫びながら壁にガムテープを貼り付けると教室内に安堵の溜息があふれた
「ご苦労だったな京助。ホラホラ机直して! 続けるぞ」
こげ茶色の背広を着た教師が黒板に文字を書き始めると生徒達がガタガタと机を直し始めた
「今年もやってきましたナァ…本格的にヤツの季節が」
坂田がガムテープを机にしまっている京助に言った
「去年は少なかったから今年は多いんだろうなー…」
「やめてよ!! もー…いやだなぁ」
京助の言葉に阿部が突っ込む
「ちゃんと庇ってよね京助!! 隣なんだから」
阿部が京助に向かって言った
「じゃないともうノートとか見せてやらないんだから」
肩にかかる髪を後ろにやって阿部が黒板の方を向いた
「…ヘイヘイ;」
京助が椅子に座りながらやる気のない返事をする
壁に貼り付けられたガムテープの真ん中からカサカサと何かがうごめく音が小さくしていた

壁に貼られたガムテープの数は6箇所
どれも真ん中が微妙に膨らんでいるそのガムテープ
「今日の収穫は6匹か…一日で6ってやっぱ結構な数だよな」
京助が箒でガムテープをペソペソ叩くと坂田が頷く
「ウチんトコは今日2匹だったぞ」
中島と南が【二階廊下】と書かれたゴミ箱を片手に教室に入ってきた
「やっぱり昨日寒い思いしてガムテープ買っておいて正解だったなー…まさかこんなに出現するとは」
京助がしみじみ言った
「よくもまぁ歩いてあそこまでいくよねー」
後ろから阿部の声がした
「何? お前どこまでガムテープ買いに行ったわけ?;」
阿部の言葉に坂田が京助に聞く
「セブン」
京助がさらっと言った
「しかも可愛いコつれて」
「可愛いコ!!?」
阿部のその言葉に教室中の視線という視線がが京助に集まった
「そぉ!! 金髪で…こう…この辺だけちょっと色の違う髪してブーツ履いたアタシより少し小さいカンジの」
阿部が前髪の一部を持って説明する
「あ!! 俺そのコ見たことある! 三つ編みしてなかったっけか?」
男子の一人が阿部を指差して言った
「昨日はポニーテールだったけど…文化祭に来てたよね? 京助」
阿部が京助を振り返る
「来てたよね…って俺見たとき制服着てたんだけど生徒じゃねぇの?」
「うそー!! だって文化祭じゃ…ほら! ミヨも見たじゃん! 仮装して客集めてくれたコ!」
男子の言葉を聞いて阿部がミヨコに聞いた

「…おい京助」
南が京助にカニ歩きで近づいた
「…まさかと思うけど」
坂田も同じくカニ歩きで京助に近づく
「金髪、三つ編み、制服、文化祭…んでヘンな仮装…次に来るワードは何でしょう京助君」
中島もカニ歩きで近づき京助に聞いた
「…だっちゃ」
京助が口の端で笑って言うと
「ブプ------------------!!!!!!!!」
3馬鹿がものゴッツイ勢いで噴出した
「イトコだかって言ってなかったっけ? コスプレ好きの」
ミヨコが京助に聞く
「…そういやそういう事にしてくれたんだよナァ坂田君」
京助が腹を押さえて笑い震えている坂田の尻を箒で叩いた
「あ~ぁウケる~…安心しろ京助!」
中島が涙目になって京助に言う
「何を」
京助が箒で今度は中島の頭を叩く
「イトコでも結婚はできるから…っくくく」
そう言うとまた笑い出した中島を京助が思いっきり蹴った
「っおめでとう~…ヒヒっ」
南がヒーヒー言いながら拍手すると
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
教室中から拍手と【おめでとう】コールが巻き起こった
例えて言うならそうまるで 某逃げちゃ駄目だ! と繰り返していた社会現象アニメの最終回のような光景
その騒ぎに廊下を行きかう生徒が教室を覗き込んでいく
「…あ」
南が笑うのをやめていきなり声を上げた
「どうした南」
坂田が聞く
「一つ重大なこと忘れてる」
南が京助を見て言った
「…なんだよ;」
京助がビビって少し後ずさる
「ヒマ子さん」
南が言うと教室が一瞬静まり返った
「…お前二股してんのか?」
男子生徒がボソッと言った
「はぁ?!;」
その男子生徒の言葉に京助が声を上げる
「ヒマワリとイトコ(オス)…どっちを取る気だね? ん?」
坂田が京助の肩を叩いて聞いた
「今夜のご注文はどっち!!」
中島が言った
「うっわ何だかその台詞エロくない?中島…今夜て」
ミヨコが中島に突っ込む
「桃色吐息の世界だな~あぁ~ン」
坂田が身をくねらせたその時
ブー……ン…という音が聞こえた