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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・参】ヘリカメ様

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「私?」
緊那羅が自分を指差して言う
「…思い出しました。緊那羅」
乾闥婆がゴソゴソと何かを取り出して緊那羅に近づいた
「何だ何だ?」
京助と悠助も緊那羅に近づく
「手を出してください」
そう言われて緊那羅が手を差し出すとその手首に乾闥婆が何かをつけた
「これ…宝珠…?」
手首につけられた腕輪に3つ並んだ透明な玉
「そうだ。だがまだ完全な宝珠ではない」
迦楼羅が言った
「コレに完全とか不完全とかあるのか?」
京助が迦楼羅に聞く
「色がないだろう? 宝珠はもともと水晶の様に透明なのだ。それに色がついて初めて完全な宝珠になる」
京助と緊那羅をかしげた
「…つまりです。緊那羅のその宝珠はまだ完全な宝珠ではないということです。完全な宝珠にするためにはそれなりの試練というか…修行というか…とにかくその透明な宝珠に色をつけないといけないのです」
迦楼羅の説明に乾闥婆が付け足す
「色…」
緊那羅が自分の腕にある宝珠を見る
「色をつけるって…絵の具とかじゃないんだろ? やっぱ」
京助が聞く
「当たり前です」
乾闥婆が言い切った
「宝珠は己の心の色を映ししそれを色とする」
迦楼羅が言う
「己の…心の色…」
透明な宝珠に映った自分の顔を見て緊那羅が呟く

ブ-----…ン…

忘れていた恐怖がまた聞こえてきた
やんでは聞こえやんでは聞こえるその音に悠助が京助にしがみつく
「…何の音だ?」
迦楼羅が聞いた
「お前のせいで封印がとけた魔王の飛んでる音」
京助が風で飛んで床に落ちていたガムテープを拾い上げた
「コレにくっつけてたんだけどさ。お前が窓開けたせいで吹っ飛んで。んで開放されて。そんでもって飛び回ってるわけ」
ヒラヒラとガムテープを振って京助が言うと悠助がじとぉ~っとした眼差しで迦楼羅を見た