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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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「うわ------んッ!!」

ガシィィィ!!!!!

「ガフッ!!;」
そして ドターン
手に持っている湯気のたったカップを死守した中島とその横で南と坂田に押し倒された京助
「何やってたんだ馬鹿----ッ!! この浮気者----ッ!!」
南が京助の胸倉を掴んでゆっさゆっさ揺すりながら言った
「俺たちがこの気まずい空気の中で過ごした時間は人類が米を作るようになる時間より長く感じたんだッ!! どうしてくれるッ!!」
坂田が京助をバスバス叩く
「んな事言ったってしゃーねーだろッ!! なら帰りゃよかったじゃんかッ!!;」
京助が怒鳴る
「いやソレはできない」
坂田と南が揃ってハモる
「やかましいぞ!! たわけ!」

ぐきゅうううううぅ~…

迦楼羅の怒鳴り声と同じく迦楼羅の腹の虫の怒鳴り声
「…お前もな」
中島がボソッと言うと京助、南と坂田も頷く
「っ~…; 仕方なかろうッ!!; …何かないのか? 竜田揚げとか」
迦楼羅が教科書を閉じて聞いた
「竜田揚げ? 何ソレ」
矜羯羅が迦楼羅に聞く
「美味い食べ物だ」
迦楼羅が竜田揚げの味を思い出しているのかどことなく嬉しそうに答えた
「…ふーん…この前僕が食べたのも結構おいしかったけどね…コッチの食べ物ってあんまり食べたことないから…今度食べてみたいな」
矜羯羅が微笑みながら言った
「…お皿は残すようにしてくださいね?」
それに乾闥婆が喧嘩を吹っ掛けるように言う
「…んがらは凄い食べるから」
制多迦が乾闥婆の言葉に付け足す
「あの名勝負凄かったヨナァ…;」
坂田が文化祭を思い出して言うと京助が頷いた

「…りん姉、ココア」
部屋のスミニいた林檎に中島がカップを差し出す
「…ありがと…」
林檎がカップを受け取ると中島がその横に腰を下ろした
「…りん姉…俺さ…」
中島が話し出した
「…ミカ姉進学やめるの止めないことにした」
カップに口をつけようとしていた林檎が顔を上げて中島を見た
「俺一番下だから上のヤツの気持ちとか考えとかわからなくて…さっき京助に聞いたんだわ」
中島が天井を見上げる
「…そしたら一番悩んで一番つらいのはミカ姉ってわかった…悩んで出した結果なのに俺達が反対してるから本当つらいんだってのもなんとなくだけどわかった様な気がするんだ…だから俺はもう何も言わないことにした」
カップの湯気で林檎の眼鏡が曇る
「…蜜柑…ね私が進学するからそれならなおさら自分は進学しないって言ったの…」
林檎がカップを両手で包んで一口飲んだ
「りん姉が進学する…っては?」
中島が聞き返す
「ゆーには初めて話すんだけど私教師になりたいんだ…先週の進路調査で決めたんだけどそれを蜜柑に話したら…だったらアタシは本当進学やめるって…私の方がなれる見込みあるからって…さ」
林檎が溜息をつく
「…学費だけでも馬鹿にならないから教員…」
最後にそう付け足した林檎がまたカップの中身を飲む
「一日…ううん一時間位しか生まれた時間違わないのに姉ってことで蜜柑ずいぶん我慢してるんだ…そして私もそれに甘えているんだ…」
グイッと一気にココアを飲み干す
「りん姉…」
中島がカップから口を離した林檎を見つめた
「中島!! よけーぃッ!!!;」