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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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「なぁ…京助」
歩きながら中島が京助にに声をかけた
「…お前がミカ姉と同じ立場だったらお前どうする?」
「はぁ?;」
いきなり聞かれた京助が【元・開かずの間】の戸をに手をかけたまま疑問形の返事をした
「俺が蜜柑さんの…っては?」
部屋に入り明かりをつけると散らばっている雑誌が目に付く
雑誌を適当に避けて京助が座ると中島も座った
「…下に兄弟がいるヤツってお前だけだからどうなんかなって」
中島の問いに頭をかいて何かを考えた後溜息をつき
「ああ…そうゆことか…俺なら進学するね」
京助がキッパリと言った
「好きなことは好きな時にしたいじゃん? それに後々しなかったことに後悔してグチグチ文句言ってみろ? そっちのが周りが嫌だろが…しなかったのは自分のせいなのにさ」
京助がスンっと鼻を啜った
「蜜柑さんの気持ちもわからなくはないけどさ…偉そうなこと言ったけど俺だって…悩むんだろうなぁ…」
それまで黙って聞いていた中島がふと顔を上げた
「…なぁ…お前悠が…悠がいなくなればいいとか思ったことあるか?」
「あるぞ」
そう聞いてきた中島に躊躇いなく京助が言い切った
「悠がいるから母さん参観日にも親子レクにもこれなくて昔は散々悠なんか~って思ったさ」
腕を組んで京助が言う
「でもソレが兄弟だと思うんだよな」
京助の言葉に中島が少し驚いた顔をする
「どんなに喧嘩して突き放して憎たらしくていなくなればいいとか思ってもさ…何つーか…あるだろ? ほら…可愛さ余って~っての」
上手い言葉が思いつかないのか京助が途切れ途切れに言う
「お前蜜柑さんと林檎さん好きだろ」
京助が中島に聞いた
「…まぁ…嫌いでは…ない…」
中島が何処となく照れながら言った
「じゃぁたぶんわかるよな誰が一番つらいのかって」
立ち上がった京助を見上げて中島も立ち上がり
「…たぶんな」
と言った
「京助」
部屋の明かりを消そうとしている京助に中島が声をかける
「…あったっけぇコーヒーか何か一つもらえるか?」
苦笑いで中島が言った