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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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仕切っていた京助がいなくなったことでまた沈黙がやってきた
机の上ではいつの間にかコマとイヌに戻った二匹が丸まって眠っている
年中眠そうな制多迦がコックリするたびにパシンと矜羯羅が叩く
迦楼羅は悠助の忘れていった教科書を捲っていた
「…中島…でしたっけ」
その沈黙を破ったのは中島を呼んだ乾闥婆の声だった
「…なんだ?」
中島が返事をする
「貴方はお姉さんに進学…とかしてほしいのですか?」
乾闥婆が聞いた
「そりゃぁ…保母になるってのがミカ姉の夢だったし…」
中島が小さく言った
「…そうですか…」
乾闥婆が同じく小さく呟くとそこからまた沈黙が続く
「…重いな」
南が目を擦っていた坂田にボソっと言った
「あぁ…;」
坂田も南に返す
「…京助早く帰って来い…」
そして二人してそうハモった
矜羯羅が溜息をついていきなり窓を開けた
「うぉお?!! 寒みぃッ!!;」
流れ込んできた夜の冷たい風にあくびをしていた坂田が震える

「…上がったら?」
矜羯羅が窓の外に声をかけるとパキっと小枝が折れる音がした
「…りん姉…?」
姿を見せたのは中島家次女の林檎
「いつからいたんだ? ミカ姉は?」
中島が小走りで林檎に近づく
「蜜柑は母さんと話してる…」
林檎が呟くと中島が俯いた
「…ねぇ…寒いんだけど」
矜羯羅が言うと坂田と南も頷いた
中島に引っ張られて林檎が部屋に入る
「…ねぇゆ-…あんた等仮装大会でもやるわけ?」
部屋に入って摩訶不思議服集団を見た林檎が中島に聞いた
「いやいやハロゥイーンの名残なんで気にしないで」
南がすかさず言った
「…そう…」
外に長時間いると身につく独特の匂いが林檎からした
「…京助に何か温まるものもらってくる」
そう言って中島が部屋を出た

「中島? 便所か?」
部屋を出て2、3歩歩くと京助に声をかけられた
「…京助ちょっといいか?」
中島が京助に言う
「…先戻ってるっちゃ」
気を利かせたのか緊那羅が中島の横を通って部屋に入っていった
「あれ? 京助と中島は?」
部屋から坂田の声が聞こえる
「あ~ちょっと…」
それに答える緊那羅の声も聞こえた
「…ちょっと寒みぃけどあっち行くか」
京助が廊下の奥を指差して言うと中島が頷いた