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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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「…と・に・か・く! だ…中島何があって家出なわけよ」
重い空気が流れたのはいいがしばらく脱力して沈黙が続いていたところを京助が仕切り直す
「喧嘩したってのはわかったけどさ…原因は何なわけ? まさかとっておいたプリン食われたとかじゃねぇだろ?」
南が中島に聞いた
「…ミカ姉が進学やめたんだ」
中島が呟いた
「蜜柑さんが? 進学…って推薦決まってたんだろ? 何でまた…」
南が少し驚いて言う
「…ねぇ僕らよくわからないんだけど」
矜羯羅がコックリと頭を傾げた制多迦を叩きながら言った
「あ~…っと…なんていやぁいいんだ?; …なんつーか…坂田!! 任せる! タコヤキ神!!」
京助が坂田に振った
「俺かよ; ってかこんな時だけその呼びかたしてくれて有難うよ京助君。まぁ例えて言うとだな王様になれるぞ-っていう権利を断ったってぇカンジか」
坂田が摩訶不思議服集団に向かって説明する
「前の…宮津さんと同じだっちゃ?」
緊那羅が京助に聞いた
「宮…あぁ…まぁそんなとこかな…進路には変わりないし似たようなモンだろう」
京助が思い出して緊那羅に返す
「今日いきなり言い出してさ…そしたらりん姉が怒って…そんで話し聞いてたらミカ姉が進学やめたの俺のせいなんだ」
中島が言った
「お前の…?」
京助が聞き返す
「…俺ん家母さん看護婦で夜遅いしあんまり家にいねぇだろ? 父さんは単身赴任で帰ってこないし今までミカ姉が家のこと全部しててさ…それで自分がいなくなったら誰も家のことできないからって…」
中島がそう言って頭を掻いて溜息をついた
「りん姉は家事とかてんで駄目だから進学しないって言ってさ…それにりん姉がキレて喧嘩になって…」
中島が話し続ける
「…結局ミカ姉は俺がいるから進学やめたらしいって…わかってさ」
「だったらお前がいなくなれば蜜柑さんも進学するんじゃないかってぇことか?」
坂田が言った
「…お前頭に血上ると後先周り考えないからナァ…; 家出したってお前は中島柚汰なんだからその場しのぎでしかねぇだろが;」
京助が呆れながら言った
「わかってる…っけど…」
中島が俯く
「…ょうすけ」
蛍光灯の光がさえぎられて制多迦の声がした
京助が見上げると寝息を立てている悠助を抱いた制多迦が京助を見下ろしていた
「…うすけ寝ちゃったんだけど…」
時計は午後10:30を過ぎていた
「あぁ…サンキュ」
京助が立ち上がり制多迦から悠助を受け取る
「緊那羅戸開けてくれ。悠寝せてくる」
京助がそう言って戸に近づくと緊那羅が戸を開けた
「ついていくっちゃ?」
緊那羅も立ち上がり京助に聞くと
「ああ頼むわ」
そう言って部屋から出た