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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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「…中島」
京助が中島に声をかけた
「林檎さん達帰ったけど…よかったのか?本当に」
中島に視線が集まる
「…あぁ…」
中島が怒ったように返事をした
「何あったんだ?」
緊那羅のわきを通って京助が中島の前まで行きしゃがんで中島と視線合わせる
「姉弟喧嘩か?」
南がいうと悠助が教科書から顔を上げて中島を見た
「…喧嘩したの? 中島…」
悠助の言葉に中島が顔をそらす
「…南ピンポンみたいだな…珍しいよなお前が蜜柑さんと林檎さん相手にキレるなんて」
京助が言う
「…んごと蜜柑?」
制多迦がボソッと言った
「中島の姉ちゃんの名前。一日違いで蜜柑さんが上なんだ」
坂田が制多迦に説明する
「一日…違いですか?」
乾闥婆が坂田に向かって聞いた
「そ。蜜柑さんが4月1日生まれで林檎さんが4月2日生まれ学年にしたら蜜柑さんが上なんだ」
「おもしろいだろー? 双子だけど双子じゃないカンジで」
坂田の言葉に南が付け足した
「ゼン等も双子みたいで双子じゃないみたいなんだなや」
「…おおぉおおぉおお!!?;」
いきなりコマが話しだして坂田が一瞬黙った後コマを投げるとコマが一回転してゼンに変わった
「投げることないんだやなー…」
机の上に着地してゼンが頬を膨らませる
「…新顔さん…」
南がゼンを指差して京助に聞くと
「コレとセット」
京助がイヌをゼンめがけて放り投げるとイヌも一回転してゴに変わり机に着地した
「おおおおお…!!」
坂田と南が歓声を上げる
「ゴ等は双子であって双子じゃないようなもんなんだやな」
ゴが言うと
「なー?」
っと二人でハモる
「…また狭くなったね」
矜羯羅が腕を組んだままゼンとゴを見て言った
「そういや矜羯羅と制多迦って兄弟じゃないのか?」
京助が矜羯羅に聞いた
「…くと矜羯羅は兄弟じゃないよ?」
制多迦が言う
「…兄弟…よりも深い関係ってトコかな」
矜羯羅がにっこり笑って言った
「…何ですかその意味深そうな言葉は…」
坂田が矜羯羅に聞くと矜羯羅が坂田に向かって微笑んだ
「お前らは兄弟いないのか?」
南が迦楼羅と乾闥婆に聞くと迦楼羅をはじめ摩訶不思議服集団が驚いた顔をして乾闥婆を見た
「…いますよ」
乾闥婆が言うと摩訶不思議集団の面々が表情を曇らせた
「…え?; 何?; …俺何かマズイこと聞いた?;」
南が空気を読んで焦る
「いきなり重くなったんだなや」
ゴが足をプラプラさせて言った
「俗に言うシリアスってヤツなんだやな?」
ゼンが同じく足をプラプラさせて言う
「重苦しくてこの空気嫌なんだやな」
ゴが言うと
「大丈夫なんだやな」
ゼンがにーっと笑って迦楼羅を見る

ぐきゅるるるるるる~…

迦楼羅の腹の虫が大声を上げた
「な? ぶち壊しなんだやな」
シリアスな空気を一瞬で流し去った迦楼羅8かるら)の腹の音を聞いてゼンが言った