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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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「京助」
坂田と南にお帰り願おうと鞄を窓から投げようとしているところに母ハルミが京助を呼んだ
「お客さんよ」
戸越しにそう言うと足音が遠のいていった
「…客…? これ以上の客…?」
いつもの面々が揃っているにもかかわらずまた来た自分の【客】というのは一体誰のことなのかと京助が首をかしげた
「…鳥類とかは遠慮しないで勝手に上がってくるしナァ…」
京助が腕を組んでしばらく考える
「…りん姉かミカ姉だろ」
中島がボソッと言った
「林檎さんと蜜柑さん?」
京助が聞き返すと中島が頷いた
「…いいのか? お前出なくて…」
南が中島に言う
「俺は! 家出してきたってゆーとるやん !出て行ってどうするよ!」
中島が怒鳴った
「…まぁとにかく行ってくるけど…」
京助が首に下げていたタオルを丸めて床に投げ部屋を出た
「あ…きょうちゃん」
玄関には蜜柑ともう一人蜜柑と同じ歳くらいの女性がいた
「京助柚汰きてるでしょ」
緑色の眼鏡をかけた女性が京助に率直に言ってきた
「つれて帰るから今すぐ呼んで」
「りっちゃん!! …ごめんねきょうちゃん…ゆ-ちゃんきてる?」
【りっちゃん】と呼ばれた眼鏡の女性の言葉を蜜柑がさえぎる
「あ…来てる…けど…」
京助が言うとりっちゃんが溜息をついて眼鏡を押し上げた
「やっぱり…ゆ-!! でてこい!! 帰るぞ!!」
りっちゃんが奥に向かって叫んだ
「林檎!!」
蜜柑がそれを即座に止める
「もう夜なんだよ!? やめて」
蜜柑が林檎に向かって言った
「何よ! 元はといえば蜜柑のせいでこんなことになったんじゃない!」
林檎が蜜柑に言い返した
「な…アタシのせいなの?!」
それに対して更に蜜柑が言い返す
「…あ…あの~…;」
二人のやり取りを見ていた京助がおそるおそる声をかける
「大体!! アンタは性格キツすぎなの!!」
蜜柑が声を上げた
「な…悪うございましたね!! 仕方ないじゃない!! コレが私なんだから!! アンタこそ一日だけ年上だからっていい気にならないで!!」
林檎が負けじと声を上げる
「……;」
もう何も言えなくなってしまった京助はただ二人の口喧嘩を特等席で見ている
「やめろよ!!」
中島の声に二人の声が止まった
「…ゆ-ちゃん…」
蜜柑が中島の名前を小さく言った
「…柚汰…」
林檎も少し遅れて言う
「他所ん家まで来てやめろよな!! …俺は帰らないからな」
そういい残すと中島は大股で奥に歩いていった
「…だ…そうです;」
京助が言うと蜜柑が鼻を啜った
「ゆ-ちゃん…怒らせちゃった…。ごめんねきょうちゃん…ゆ-ちゃん…御願いしてもいいかな?」
蜜柑が眉を下げた笑顔で京助に頼む
「え…あ…うん」
京助が言うと蜜柑は頭を下げてお辞儀をして玄関を出た
「…りっちゃん帰ろ?」
呼ばれた林檎も玄関を出てお辞儀をして戸を閉めた