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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回・弐】中島君家の家庭の二乗

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「急に静かになったナァ;」
京助が窓を閉めて言った
時間はもうすぐ日にちが変わってしまう位にまで進んでいた
「…私も帰るね」
林檎がそばに置いていた靴を持って立ち上がった
「今から? 危ねくね? いくら林檎さんだって一応女だし…」
南が言うと林檎が靴で南を叩いた
「俺も帰るから…ごめんな京助迷惑かけて」
中島が鞄を持って林檎の隣に立った
「何!? お前家出は!?;」
南が驚いて中島に言う
「一日家出もうすぐ終了」
中島が笑いながら言った
「…はぁ~?;…しゃぁねぇ…俺等も帰るか坂田…ってオイ;」
南が溜息をつきながら坂田を振り返ると坂田が畳んだだけの布団に寄りかかって眠りこけていた
「…相変わらず夜に弱いヤツ;」
京助が足で坂田の尻をポスポス蹴った
「坂田は泊まらせるわ…南はどうする?」
京助が南に聞くと南がしばらく考えて
「俺も泊まらせてもらうかな~…」
そう言って欠伸をした
「…じゃ俺等帰るから」
緊那羅(きんなら)が部屋の戸を開けると中島と林檎が廊下に出る
「途中まで送るか?」
歩きながら京助が言うと中島が振り返って手を振った

「ねぇ…ゆ-」
街灯が一定間隔でついている道を二人並んで歩く
「…あの髪の青い子…兄弟いるの?」
林檎が中島に聞いた
「髪の青い…あぁ乾闥婆か…いるみたいだけど? なした?」
中島が答える
「…ううん…ちょっとね…」
林檎が呟くと中島が首をかしげる
「蜜柑と…同じような我慢してたような気がしたんだ…あの子」
林檎が白い息を吐いた
「じゃぁアイツ下にいるんだな弟か妹が…似てるんかなぁ;毒舌とか」
中島が苦笑いで言った中島の息も白い
「にしても変わった名前なんだねその子」
林檎が突っ込む
「え…あ…あぁ!! あだ名みたいなもんでさ;」
中島が慌てて言った
「昔は私と蜜柑ゆーを取り合ってよく喧嘩したっけなぁ」
林檎が何かを思い出してくすくす笑い出した
「何!?;何俺を取り合ってって;」
少し離された中島が林檎に駆け寄って聞く
「おしめ換えるとかミルクあげるとかでもしょっちゅう喧嘩して母さんに怒られてもまた喧嘩して」
林檎が嬉しそうに話す
「実物大のじゃじゃ丸見て大泣きしながらお漏らししたゆーがこんなでかくなっちゃって」
笑いながら中島を肘でつつく
「な…っ;何だよそれっ!!;」
赤くなって聞きかえす
たまに伸びてまた縮む二つの影が笑い声と一緒に角を曲がった