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天気予報はあたらない

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 一応、手は打った。そう思い込み、今日中の打開は諦める。しかし、これもきっと言い訳なのだろう。このとき、自分の頭の中には啓太との約束しか容量がなく、その他の情報はいとも簡単に消し去っていた。とりあえず、母親の携帯に啓太の家にそのまま行くと連絡を入れておく。こうしないと後から非常にめんどくさいことになるからだ。今、彼女の機嫌というもので手一杯なのに、これ以上問題を増やすのはごめんだ。

 音を立てて滑りこむ電車はそのスピードを落とすのに必死で、不快な金属音とともに周りの全ての音を奪っていく。それでも、おれの耳だけには、先ほどの啓太の『おめでとう』ばかりが何度もリフレインしていた。

作品名:天気予報はあたらない 作家名:雨来堂