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天気予報はあたらない

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 言いながら、どこかで聞いたセリフだなと思う。ああ、そうだ、昼間に陽子にも言ったような気がする。さっきの俊二に対する気持ちの再確認といいこのセリフと言い今日はデジャブばかりだ。

 「こちらこそ、よろしく、おねがい。」

 すべてを言いきる前にまた泣いてしまったので、そっと抱きしめてやる。そのまま窓の外に目をやると、雨はもうあがっていた。そこから時計に目を移せばまだ今日は終わっていない。天気予報が一日中雨だと言っていたのだから、これは間違った未来なのであろうか。

 いや、違う。これが正しい未来なのだ。

 未来は常に変化していく。天気も、環境も、俺たちの生活も気持ちも全て。確定されたものなどはないのだ。
 果たして、俺と俊二の間はどれだけの変化が訪れるのだろうか。それがわからないから、怖い。もしかしたら、変わらないかもしれない。でも、人の気持ちなんて天気のようにコロコロかわるのだ。天気予報だって外れる。だから二人の間の未来予報も外れることがきっとある。

 「天気予報は当たらないなぁ。」


作品名:天気予報はあたらない 作家名:雨来堂