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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回】 垂れ流しからの恩恵

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「…アイツもお前等のお仲間か?」
京助が起き上がりながら緊那羅に聞く
「知らないっちゃ…乾闥婆は?」
京助に腕を引っ張られて立った緊那羅が乾闥婆に手を差し伸べながら聞いた
「僕も知りません…というか迦楼羅も知らないみたいですし…」
緊那羅の手を掴んで乾闥婆が立ち上がるとその下にいた迦楼羅(かるら)がガバッと起き上がった
「何なんだ!! お前等はッ!!;」
舐められていた額を服の裾でゴシゴシ拭いながら迦楼羅が怒鳴る
「何なんだっていわれてるんだなや?」
さかさまになっていた少年(?)がクルンと体を回して着地した
「ゼン等はお守り役なんだやな」
着地した少年(?)の傍にコマが駆け寄る
「なー?」
そして笑顔ではハモるとコマが後ろ空中宙返り…いわゆるバック宙をした
「…な…」
和室にいる全員が目を丸くした
コマが一瞬で少年(?)の姿に変わった

「我はゼン!!」
「我はゴ!!」
「栄野の前後は我等が守る!!」
シャキーーン! と言う効果音が聞こえそうな勢いで二人の少年(?)がポーズと決め台詞的言葉を言った
「やー! 久々にもどれただなやーーー!!」
【ゼン】と名乗った髪の赤いほうが伸びをして体をクイクイと軽くひねる
「何年ぶりだなや?」
【ゴ】と名乗っていた少年も肩をぐるぐる回しながら言った
「…すいません…どちら様でしょう?;」
京助がおそるおそる敬語で二人の少年(?)に声をかけた
「…どう見ても…人間ってぇナマモノじゃないですよね?あなた達;」
普段言いなれてないせいか京助の敬語は微妙におかしいが京助のその言葉に一同が頷く
確かに二人の少年(?)は京助や悠助だけでなく摩訶不思議服集団の迦楼羅や緊那羅、乾闥婆とも外見が異なっている
まず目に付いたのが腰の辺りについているふさふさしている尻尾
そして明らかにそれは反則だろうという萌え要素の一つに数えられる獣のようなふさふさした耳
も一つオマケに額のチョコッと上から出ているとがった角らしき物体
「…何者でございますか?;」
京助が言うとゼンとゴが顔を見合わせる
「京助覚えてないみたいなんだなや」
ゴがゼンに言う
「しょうがないんだなや。まだこーんなちっこかったんだなや」
ゼンが胸の前に両手で【こんくらい】と10センチくらいの大きさを表した
「それはちっこすぎなんだやな!」
ゴがゼンに突っ込んだ
「…何なんだ?;」
京助達はわけもわからずゼンとゴのやり取りを見ている
「…漫才してるみたいだっちゃね…」
緊那羅がボソッと呟いた