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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第五回】 垂れ流しからの恩恵

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「…角?」
迦楼羅の額を舐めていたイヌの頭の毛から飛び出している突起を触る
「…こっちにも」
そして今度はコマを見て同じように出ている突起にも触った
「京助…これが刺さったんじゃないんですか? 胸」
赤くなっている自分の胸とコマとイヌの頭の突起を交互に見て京助がポンっと手を叩いた
「そっか…さっき抱き上げたときか…」
さすさすと胸を撫でて納得する
「にしても…妙ですね…この角みたいなのは前から?」
乾闥婆が京助と悠助に聞いた
「あぁ。ずっと前からだぞ? …てかコイツらは俺の生まれる前からいるらしいからそれよか前はわかんねぇけど…でも」
京助コマを抱き上げる
「…なんだか伸びてるような…」
頭の突起の先端を指でつつくとコマが嬉しそうに尻尾を振る

ぐきゅぅううううう…

「…迦楼羅…」
もう御馴染みとなってしまったのか迦楼羅のその体とは正反対の馬鹿でっかい腹の虫の声に乾闥婆が溜息をつく
「…おかしい」
むくりと起き上がった迦楼羅が呟く
「いくらなんでも早すぎる」
迦楼羅が腹を撫でる
「どこかで力使ってきたとかじゃないんだっちゃ?」
緊那羅が迦楼羅に聞くと迦楼羅は首を横に振った
「ココに来る前に渋々ながらも食べてきたばかりですが…本当に力使っていないのですか?」
乾闥婆が迦楼羅の前に座って聞く
「使っておらんと言っているだろう;」
迦楼羅が膨れて言った

ぐぅううう…きゅぅうう~

「…あいかわらずやかましいな」
和室に響く迦楼羅の腹の音に京助が口の端で笑う
「京助ーコマが下ろしてくれって」
京助の腕の中でジタバタしていたコマに気づいた悠助が京助に言った
「お? あ…ハイハイ」
京助がコマを下に下ろすと縁側の廊下に向かってコマが走り出した
「…トイレか?」
コマの走り去った方向を見て京助が呟いた
「ずるいんだやなッ!!」
突如聞こえた怒鳴り声
「早いもの勝ちだやな~」
そしてその怒鳴り声に対する返事だと思われる声