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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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ガラガラガラガラガラ…

後ろに【タコヤキ処あしはぽーん】ののぼりを掲げマーシー君(坂田父)をのせた台車が教室から旅立った
「使えるものは親でも使え」
坂田が悟ったように言った
「ところで若」
柴田が坂田を呼んだ
「何だ?」
「若の彼女って誰です? この間ウチまで訪ねてきたと組の者から聞いたんですが…俺見れなかったんで…文化祭に来れば見れるかと思ったんですが」
柴田がにっこり笑って聞いてきた
「…なぁ…柴田さんの言ってるのもしかして…」
京助が笑いをこらえながら坂田に言った
「言うな」
坂田が引きつりながら京助の腹に肘鉄を食らわせた
「何? ミッツ彼女いるのかぃ? キョン助?」
坂田母がタコヤキを爪楊枝にさしたまま話しに入ってきた
「いますヨー隣のクラスで看板娘やってますヨー」
「京助テメェッ!!;」
爽やかに(エセっぽい爽やかさ満開)笑いながら京助が言うと坂田が京助の半被の襟を掴む
「照れるんじゃないよぉこの子は…どれどれ…隣のクラスかい?」
坂田母がタコヤキを持ったままそそくさと隣の教室に向かっていった
「ちょ…ま…っ母さんッ!!;」
坂田が慌てて後を追おうとするのを京助が笑いながら止めた
「若、俺も見てきます」
柴田も教室から出ていった
「俺も!」
「じゃあ俺も!!」
次々に組員が教室を後にする
「待てって!!; コラ!お前ら------ッ!!;」
坂田の叫び声が廊下まで響いた

「三番テーブルあんまんとカレーまんおねがいしまぁすー」
だいぶ客足が飯に向かったとはいえ結構お客が入っている2組の教室
その半分以上がやたら黒い服を着ている
「…可愛い息子より敵に協力すんなよ…」
京助を振りほどいてやってきた坂田が2組の売り上げに貢献している母等を見てがっくり肩を落とした
「いや~っはっは! まっさか南だとはおもってなんだよ!」
坂田母が豪快に笑ってカップのお茶を飲み干した
「あはははははは!! まま! グィっと!!」
そして空になったカップに南が再び茶を注ぐ
「似合ってますよ南君。去年も可愛かったですけど」
柴田が笑いながら言う
「いやーん有難うございますぅ~サービスしちゃおうかしらっ」
そう言いながら身をくねらせて南が笑う
「…駄目だこりゃ…;」
はぁと溜息をついて坂田は2組を後にした
「どうだった?」
ミヨが戻ってきた坂田に聞いた
「すっかり出来上がってましたヨ…こりゃ…かなり痛いぞ; …どうすんだ京助」
坂田が鼻水をティッシュでかんでいる京助に言った
「何で俺に振るよ」
丸めたテイッシュをゴミ箱に突っ込みながら京助が言った
「元はお前が母さんを捲し上げて2組に向かわせたのが原因だ。何とかしろ」
坂田が京助に指を突きつけて言った
「んなこと言ったって…;」