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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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コポコポコポ…

「もう7杯目よ? いい加減にしたら?」
コトリと急須をカップのそばに置いてその人物は溜息をついた
「いいんだ…今は飲みたい気分なんだ」
グイッとカップの中身を飲み干すとズイッとカップを差し出した
「もう一杯」
「もうやめておきなさいよ。おねしょでもしたらおケツ…ペンペンされちゃうわよ?」
差し出されたカップをそっと押し返す
「コレが飲まずにいられるかてんだッ!! いいから!ついでくれッ!!」
「何しとんじゃワレ」
坂田の肘鉄が見事つむじ辺りにヒットした
「よー!! ウチの売り上げ貢献に有難う組長!」
急須を持ったチャイナドレス姿の南が笑いながら言った
「神だっ!! …おんまえは…何敵んトコでやさぐれてティータイムしとんじゃ」
肘をそのままグリグリと押し付けて坂田が言った
「やー…ミヨが一目惚れしたって? そりゃ飲みたくなる気持ちもわからんでもないけどさぁ…7杯でしめて700円になりまっせ」
南が坂田の下でつぶれているハルに手を差し出して請求した
「まいどおおきに~」
ヒラヒラと手を振る南に見送られて坂田とハルは敵陣を後にした

「今戻ったぞ」
ハルの首根っこを掴んで屋台のある教室に帰還した坂田がチャッと手を上げた
「ご苦労さん若」
「神だっつーの!!」
本間が手を上げて迎えると坂田がハルをペイっと離した
「コイツ2組んとこに700円も貢献しくさっててさぁ…どうよ」
坂田が頭を掻きながら溜息をついた
「700円は…でっかいな;」
京助が生地を混ぜながら言った
「何してんのさ!! もー…この馬鹿ハル!!」
ミヨコがハルの頭を叩いた
「…元はアンタが原因でしょ」
阿部が突っ込んだ
「タコヤキ1セットが250円だから…3つ…か」
京助が呟く
「でももう昼時だから飯の方に客足いってるしなぁ…難しいよなぁ…」
浜本がタコヤキを返しながら言う
「そういやウチの看板どうした?」
坂田が教室内を見回して聞いた
「制多迦と緊那羅なら母さんと悠助と一緒に飯に行った」
京助が答えた
「何ッ!?」
坂田が叫んだ
「痛いよなぁ…看板までいなくなっちゃぁ…」
浜本がはぁと溜息とつく
「ハルミさんきてったのか!?; っあぁあああ!!」
「そっちかい」
坂田が嘆きの叫び声をあげると本間がスパーンと突っ込んだ
「だって!! ハルミさんきてたんだろ!? ハルミさん!! くぅううう~…ハル! これもそれもお前のせいだッ!! 馬鹿野郎!!」
坂田がハルに向かって怒鳴った
「っとに…ココの男どもときたら…アノ人みたいなのいないのかしら」
ミヨコが言うとハルがぴくっと反応した
「…そんなに格好よかったのかソイツ」
ハルがミヨコに聞いた
「え? …そりゃぁもう格好よかったよ? 名前も言わないで助けて当たり前のように振舞って…ねぇ? 阿部!!」
ミヨコが思い出しながら話すと阿部の肩をバシッと叩いた
「…そっか」
ハルが俯きながら言った
「…ミヨ…俺は…」
ハルが何かを言おうとした時教室の後ろの戸がガラリと開いた
「若!!」