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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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ミヨコは俯き加減で顔を赤く染めている
ハルはというと白く固まったまま動かない
「…誰に」
浜本が本間に聞いた
「さっきミヨが階段から落ちそうになったとき助けてくれた超格好いい人。高校生くらいなんだけど…」
「けど?」
本間の言葉に坂田が突っ込む
「…嫌な予感がするんだけど;」
京助の右の鼻の穴から鼻水がたりっと垂れた
「演劇に出るような格好してたんだけどね」
「演劇…」
本間のそんな言葉に京助が鼻水を啜って制多迦の方向を見ると制多迦と目が合った
「あ!!! ミヨ!! 見て見てっ!」
阿部がミヨコをゆすって制多迦を指差した

「きゃぁあぁああ!!」
制多迦を見るなり悲鳴を上げてミヨコが阿部の後ろに隠れる
何で自分を見て悲鳴をあげたのかわからない制多迦がぽかんとミヨコを見る
「…に?;」
視線を集中させられて制多迦があわわと挙動不審になった
「あ…でも違うよ似てるけど…髪の色とか服も…」
本間が制多迦の全身を見て言った
オタオタしている制多迦に京助がカニ歩きで近づいて小声で言った
「…矜羯羅(こんがら)もきてるのか?;」
制多迦がコクリと頷いた

「すいませーん…まだ開いてないんですか?」
髪にウェーブのかかった子連の女性が入り口から覗き込むように言った
「え? …うっわ! お客さんだよ!;」
お客さん第一号が来店したもののまだ何も準備をしておらずわたわたと半被を着込み材料を準備する
「ママ-見て見てこのお兄ちゃん変な格好ー!!」
3歳くらいの女の子がトテトテ走ってきて制多迦を指差した
「…んな格好?;」
女の子の言葉に制多迦が自分の全身を見る
「…私も京助達に散々言われたっちゃ; …こっちじゃこんな格好しないみたいだっちゃ」
「でも僕格好いいとおもうけどなぁ」
緊那羅が言うと悠助が付け足していって制多迦を見上げた