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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第四回・参】恋のタコヤキ合戦

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「明日何時に行けばいい?」
母ハルミが捲り上げていた袖口をおろしながら京助に聞いた
「あ~? 何時でも? 生徒集合は普通通りだけど文化祭自体は9時半からだし?」
足の爪を切りながら京助が言った
「僕劇みたい~!!」
悠助が手を上げていうと
「じゃぁ劇に間に合うようにいくわ」
母ハルミが笑いながら言った
「…私も行っていいっちゃ?」
さっきまで悠助の三つ編み修行の練習台になっていた緊那羅が京助に聞いた
「まぁ…明日は一般公開だから…来たきゃ来ていいぞ?」
京助がそういうと緊那羅が嬉しそうに笑った
「緊ちゃんよかったねー!!」
悠助が緊那羅に抱きつく
「せいぜい俺らの売り上げに貢献してくれ」
パチンと京助が爪を切った

「えー…というわけでー…今日は好天にも恵まれー…」
ところどころにキーンという音をはさみながら校長の長ったらしい挨拶が続いていた
しかし生徒はおそらく (てか絶対)校長の話など右の耳から入れてはすぐに左の耳から抜けているだろう
あちこちでボソボソと話し声が聞こえている
その度に校長が ゴホン!! と咳払いをするのだがまるで効果がない
例えて言うと 田んぼにカカシを置いているんだけど効果ないのよね みたいな感じだった
「…では今日はハメを外し過ぎない程度に盛り上がっていきましょう」
最後にキーィインとい音を残して長ったらしい話が終わると生徒達はよっしゃ!と心の中で思いながら姿勢を正して校長のいなくなったステージを見た
「それではこれより第42回正月中学校文化祭二日目開始の言葉を実行委員長の佐藤さんよりお願いいたします」
司会進行役がそういうとステージの上に【佐藤さん】と呼ばれた文化祭実行委員長が立った
「皆さん今日は待ちに待った文化祭です。総合優勝クラスには毎年恒例の焼肉食えんぞ権が与えられるので気合を入れて頑張ってください…それでは…」
文化祭実行委員長の佐藤さんがマイクから一歩後退しメガホンを手にとって叫んだ
「正月中文化祭ー…スタート!!」
その掛け声とともに生徒は駆け出して体育館を後にする
「坂田! 生徒玄関に親父がタコ持ってきているはずだからハルと取ってくる!!」
浜本がハルの腕を引っ張って生徒の波の中玄関に向かった
「窓から垂れ幕下ろしてから生地持ってくるね!」
阿部がミヨコと本間と共に階段を駆け上っていった
「じゃ俺らは…ヤりますか若組長」
「俺は神だ」
坂田と京助は生徒でごった返している廊下を屋台のある教室に向かった

【たこやき処あしはぽーん】
そう書かれた旗が立っている簡易屋台
屋台の名付け親はタコヤキ神の坂田だった
「ふっざけた名前だよナァ…」
チャイナドレスを着た人物が腰に手を当てて旗を見上げてている
「…お前の格好もふざけてるとおもうぞ」
京助が教室に入るなりチャイナドレスの人物に声をかけた
「お前らんトコは韓流ブームに乗っかって飲茶喫茶だっけか?」
「ピンポーン」
振り向き扇を広げたその人物は南だった
「今日は【ミナ・ミンミン】とよんでくれ!」
「…お前実は女装好きだろ」
坂田が京助の後ろから南に言った
「んやぁ…お前らに勝つためならねぇ?」
パチンと扇を閉じて南がニーっと笑う
「今日だけは敵同士ってことで…容赦なしに」
ビッと閉じた扇で南がで坂田を指した
「のぞむところだ変態」
坂田もニッと笑った
ピンポンパンポーン…というメロディと共にザザ…という雑音がスピーカーから流れた
「只今より一般入場を開始いたします生徒のみなさんは各自の持ち場についてください。尚演劇の…」
放送が一般入場開始のアナウンスを流した
「…いざ…勝負!」
昨日の友は今日の敵でも明日はまた友
文化祭が幕をあけた